2026年も飲食店の倒産は過去最多ペース。現役経営者が考える、本当の原因とは
Restaurant Business Reform または 飲食店経営改善ブログ

1.2026年、飲食店の倒産は4年連続で増加

帝国データバンクが2026年7月22日に公表した調査によると、2026年上半期の飲食店倒産件数は473件となり、前年同期の458件を上回りました。
これで上半期として過去最多を更新し、4年連続で倒産件数が増加しています。
さらに注目すべきなのは、倒産した飲食店の78%が負債5,000万円未満の小規模事業者だったという点です。つまり、今回の倒産増加は一部の大型チェーンではなく、多くの個人店や中小飲食店が厳しい状況に置かれていることを示しています。
食材価格や光熱費の高騰、人件費の上昇など、飲食店を取り巻く経営環境は年々厳しさを増しています。
このニュースを見て、
「飲食店はもうダメだ。」
そう感じる人もいるかもしれません。
しかし、私はこの数字以上に、もっと重要なことがあると考えています。
なぜ今、小規模飲食店ばかりが倒産しているのか。
そして、
どうすれば、その流れを回避できるのか。
この記事では、その点について現役の飲食店経営者として考えてみたいと思います。
2.しかし、本当に知るべきなのは倒産件数ではない

毎年のように、
「飲食店の倒産件数が過去最多。」
そんなニュースを目にします。
しかし、その数字を見て終わるだけでは、何も変わりません。
「また飲食店が潰れている。」
そう思ってニュースを閉じても、明日からの経営に役立つことは一つもないでしょう。
本当に知るべきなのは、
なぜ今、小規模飲食店ばかりが倒産しているのか。
ということです。
今回の調査でも、倒産した飲食店の約8割は負債5,000万円未満の小規模事業者でした。
つまり、苦しんでいるのは一部の大企業ではありません。
私たちと同じように、地域で店を営み、一人ひとりのお客様と向き合っている個人店や中小飲食店です。
では、なぜ小規模店だけが、これほど厳しい状況に追い込まれているのでしょうか。
私はその理由を、単なる景気や物価高だけでは説明できないと考えています。
現場で経営を続けてきたからこそ見えてきた、小規模飲食店が陥りやすい構造的な問題があります。
ここからは、その原因を一つずつ掘り下げながら、どうすればこの流れを回避できるのかについて、私自身の経験も交えてお伝えしていきます。
3.なぜ小規模店ばかり倒産するのか

私は今回のニュースを見て、一番気になったのは倒産件数ではありません。
倒産した飲食店の約8割が、小規模事業者だったことです。
では、なぜ小規模店ばかりが苦しくなるのでしょうか。
私は、その理由は一つではないと考えています。
①価格を上げたくても上げられない
ここ数年で、食材費も光熱費も人件費も大きく上昇しました。
本来であれば、その分を販売価格へ反映しなければ利益は残りません。
しかし、小規模店は価格を上げることをためらいます。
「お客様が離れるかもしれない。」
そんな不安があるからです。
一方で、大手チェーンは大量仕入れによるコストメリットやブランド力があるため、価格改定をしてもお客様が大きく離れにくい。
この差は、年々大きくなっています。
②人が一人辞めるだけで店が変わってしまう
小規模店は、少人数で営業しています。
だからこそ、一人の退職や、一人の接客品質の低下が、そのまま店全体の評価につながります。
私自身も今年、オペレーションや接客が乱れたことで、お客様から厳しい評価をいただきました。
改めて感じたのは、
小規模店は「一人の影響力」が非常に大きい。
ということです。
③未来を作る時間がなくなる
そして、私はこれが一番大きな原因だと思っています。
利益が減る。
すると、人を減らす。
自分が現場へ入る。
休みがなくなる。
毎日営業するだけで精一杯になる。
そうすると、
掃除。
教育。
商品開発。
SNS。
広告。
店内改善。
こうした未来を良くする仕事が、後回しになってしまいます。
私は以前、


「飲食店はなぜ潰れるのか。現役経営者が見てきた『潰れるまでの過程』」
という記事で、この流れについて詳しく書きました。
飲食店は、ある日突然潰れるのではありません。
未来を変える時間を少しずつ失っていくことで、経営は静かに崩れていきます。
④利益が残らない経営になっている
売上がある。
忙しい。
それでも、お金が残らない。
そんな飲食店は少なくありません。
売上だけを追いかけても、利益が残らなければ経営は続きません。
原価率。
人件費率。
FLコスト。
適正な利益。
これらを管理できなければ、忙しいほど疲弊する店になってしまいます。
私はこれまで、このブログでも利益管理の重要性について何度も発信してきました。
⑤料理だけでは選ばれない時代になった
そして、最後にもう一つ。
今の時代は、
料理が美味しいだけでは勝てません。
お客様は、
外観を見て、
Googleの口コミを見て、
食べログを見て、
Instagramを見て、
「安心できそう。」
そう思って初めて来店します。
ブランド。
安心感。
外観。
接客。
ホスピタリティ。
これらすべてが積み重なって、「また来たい」という理由になります。
だから私は、このブログで料理だけではなく、
ブランドづくり、
安心を売る考え方、
店舗改善、
オペレーションについても発信しています。
つまり、小規模飲食店が苦しくなっている理由は、一つではありません。
価格。
人。
利益。
時間。
ブランド。
これらが少しずつ崩れ、最後に倒産という結果につながります。
だからこそ、解決策も一つではないのです。
このブログで発信している内容は、すべて「利益が出続ける飲食店をつくるための一つひとつのピース」だと私は考えています。
4.私は今年、自分の店でも経験した

この記事を書いている私は、今も飲食店を経営しています。
だから今回のニュースは、決して他人事ではありません。
実は今年7月、私の店でも大きく売上を落としました。
原因は料理ではありません。
立地でもありません。
私が店長を任せていた人間の接客品質が、忙しくなるにつれて大きく崩れてしまったことでした。
それまで笑顔で接客できていたスタッフが、忙しさに追われるうちに余裕を失い、対応は少しずつ雑になっていきました。
その結果、お客様から多くの厳しいご意見をいただくようになりました。
中には、
「あんな店長がいる店は信用できない。」
という言葉までいただきました。
経営者として、本当に悔しかった出来事です。
もちろん、本人にも改善すべき点はあります。
実は彼は、過去にも同じような失敗を経験しています。
それでも私は、
「今度こそ大丈夫だろう。」
「昔から知っている人間だから任せられる。」
そう考えてしまいました。
しかし、それは私の甘さでした。
人には、それぞれ向き不向きがあります。
忙しくなっても笑顔を失わない人。
忙しくなるほど周りが見えなくなってしまう人。
その違いを見極めることも、経営者の大切な仕事です。
私は今回、
能力だけを見て店長を任せてしまいました。
しかし、本当に店長に必要なのは、仕事ができることだけではありません。
お客様が笑顔になることを、自分自身の喜びに感じられる人。
人に喜んでもらうことへ、心からやりがいを感じられる人。
私は、その一番大切な部分を見落としていました。
昔から知っている人物だった。
だからこそ、
「分かっているつもり。」
になっていたのです。
今回の出来事で改めて学びました。
飲食店は、料理を作る仕事ではありません。
人を喜ばせる仕事です。
だから店長とは、
現場を回せる人ではなく、
お客様を笑顔にする文化を作れる人でなければならない。
私はそう考えるようになりました。
今回の失敗は、本当に苦しい経験でした。
しかし、この経験があったからこそ、私は経営者として一つ大きな学びを得ることができました。
そして今は、オペレーションだけではなく、人の配置や役割まで見直しながら、もう一度「また来たい」と思っていただける店を作るために改善を続けています。
5.私は、この流れを断ち切るために改善を続けています

今回の経験で、私は改めて確信しました。
飲食店は、一つの改善だけでは立て直せません。
売上が落ちたから広告を打つ。
客数が減ったから値引きをする。
料理を変える。
それだけでは根本的な解決にはならないのです。
だから私は、一つひとつ土台から見直しています。
まずは、
このブログで発信している内容は、それぞれ独立した経営論ではありません。
すべてがつながっています。
例えば、
「飲食店は料理を売る前に、『安心』を売らなければならない。」
という記事では、お客様が来店を決めるまでの心理について書きました。
「利益を残す商品ではない。利益を生むブランドを作れ。」
では、価格競争に巻き込まれない店づくりについて書いています。
「飲食店のオペレーションは、料理を運ぶ技術ではない。」
では、忙しくても接客品質を維持するための考え方をまとめました。
そして、
「飲食店はなぜ潰れるのか。現役経営者が見てきた『潰れるまでの過程』」
では、利益を失った店が、なぜ未来を変える時間まで失ってしまうのかをお伝えしました。
私は、これらを別々のテーマだとは考えていません。
すべては、
「利益が出続ける飲食店をつくる。」
そのためにつながっている一つの経営論です。
だから私は、今回の失敗も隠しません。
失敗したからこそ見えたことがあります。
改善したからこそ分かったことがあります。
このブログでは、それらを現場で実践しながら、これからも発信し続けていきます。
6.だから私は、利益が出続ける飲食店を増やしたい

私は、このブログで何度も同じことを言っています。
FCを増やしたいのではありません。
利益が出続ける飲食店を増やしたい。
この言葉には、今回の経験も込められています。
飲食店は、利益がなくなると苦しくなります。
苦しくなると、人を減らします。
人を減らすと、サービスが乱れます。
サービスが乱れると、お客様が離れます。
そして、さらに利益が減る。
この悪循環に入ってしまえば、立て直すことは簡単ではありません。
だから私は、
「もっと集客しましょう。」
「もっと広告を打ちましょう。」
そんな小手先の話をしたいわけではありません。
利益が残る価格設定。
利益が残るブランドづくり。
利益が残るオペレーション。
利益が残る商品開発。
利益が残る人材育成。
利益が残る経営の仕組み。
それらを一つずつ積み重ねることが、結果として倒産を防ぐ一番の近道だと考えています。
私は今年、自分自身の失敗から多くのことを学びました。
だからこそ、この経験を自分だけの失敗で終わらせたくありません。
もし、この記事を読んでいる方が今苦しい状況にいるのなら、まだ諦めないでください。
倒産は、ある日突然やってくるものではありません。
逆に言えば、経営も一日では良くなりません。
しかし、一つずつ改善を積み重ねれば、お店は必ず変わります。
私は、その改善のヒントを、このブログでこれからも発信し続けます。
7.今日からできることは、必ずあります

この記事を読んで、
「うちの店も厳しい。」
そう感じた方もいるかもしれません。
しかし、悲観する必要はありません。
私は今回、自分の店で売上を落としたことで、多くのことを学びました。
だから断言できます。
飲食店は、一つの原因で潰れることはほとんどありません。
逆に言えば、
一つの改善で劇的に良くなることも、ほとんどありません。
だからこそ、経営者の仕事は、
毎日少しずつ店を良くすることです。
接客を少し良くする。
オペレーションを少し良くする。
利益管理を少し見直す。
商品の価値を少し高める。
店の外観を少し整える。
その積み重ねが、一年後には大きな差になります。
私は、このブログで「魔法のような成功法則」を伝えたいわけではありません。
現場で失敗し、
改善し、
また失敗し、
また改善する。
その繰り返しの中で、本当に効果があったことだけを発信しています。
だから、もし今あなたのお店が苦しい状況でも、一つだけお願いがあります。
「もうダメだ」と諦める前に、一つだけ改善してみてください。
その一つが、次の一歩になります。
そして、その積み重ねが、倒産という未来を、生き残る未来へ変えていくのだと私は信じています。
まとめ

2026年も、飲食店の倒産件数は増え続けています。
これで4年連続です。
この数字だけを見ると、
「飲食店はもう厳しい時代だ。」
そう感じるかもしれません。
しかし、私はそうは思いません。
今回のニュースから本当に考えるべきなのは、
なぜ小規模飲食店が苦しんでいるのか。
そして、
どうすればその流れを変えられるのか。
その二つです。
私自身も今年、大きな失敗を経験しました。
信頼していた店長に任せていた店で、お客様の信用を失い、売上を落としました。
その経験から改めて学んだのは、
飲食店は料理だけでは経営できないということです。
利益管理。
ブランド。
ホスピタリティ。
オペレーション。
商品開発。
人材育成。
そのすべてが噛み合って初めて、お客様から選ばれ続ける店になります。
だから私は、このブログで料理の話だけをするつもりはありません。
現場で失敗したことも。
改善して成果が出たことも。
そして今も挑戦を続けていることも。
すべて包み隠さず発信していきます。
私の目的は、
FCを増やすことではありません。
コンサルティングを売ることでもありません。
利益が出続ける飲食店を、一店舗でも多く増やすことです。
4年連続で倒産件数が増えている今だからこそ、飲食店経営には根性論ではなく、利益を残し続けるための経営力が必要です。
このブログが、そのヒントになることを願っています。
この記事を書いた人 Wrote this article
新田 敏之 RBR合同会社 統括 / 男性
RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。





