飲食店の売上が上がらない原因|常連客が多いのに売上が伸びない店の共通点

Restaurant Business Reform または 飲食店経営改善ブログ

飲食店の売上が上がらない原因|常連客が多いのに売上が伸びない店の共通点
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第1章 常連客がいるのに、なぜ売上が上がらないのか

「うちは常連さんが多いですよ」

飲食店の経営者と話していると、よく聞く言葉です。

実際に店へ行ってみると、確かに常連客がいる。

スタッフと親しそうに話しているお客様がいて、入店した瞬間に「いつものですね」と注文が通るお客様もいる。

週末になればそれなりに席も埋まっている。

決して、誰も来ない暇な店には見えません。

ところが売上を見せてもらうと、不思議なことがあります。

3年前も月商300万円。
去年も300万円前後。
今年もやっぱり300万円前後。

常連客はいる。

店も営業を続けている。

それなのに、売上はほとんど成長していない。

これは小さな飲食店では珍しい話ではありません。


「常連が多い店」と「売上が伸びている店」は同じではない

店を毎日見ている経営者ほど、

「知っている顔が多い=お客様が定着している」

と感じやすくなります。

もちろん、何度も来店してくれるお客様がいること自体は非常に大切です。

新規客ばかりで誰も再来店しない店より、はるかに健全です。

ただし、ここで一つ分けて考える必要があります。

常連客が存在していることと、店の売上が成長していることは別の話です。

例えば、こんな店があったとします。

項目3年前現在
月商300万円305万円
店でよく見る常連客多い多い
週末の店内それなりに埋まるそれなりに埋まる
経営者の感覚常連が多い常連が多い

店内だけを見ていれば、大きな問題はないように感じます。

しかし数字を見ると、3年間ほとんど成長していません。

物価も上がっています。

食材価格も上がっています。

人件費も上がっています。

水道光熱費も上がっています。

その環境で売上がほぼ同じなら、経営としては「現状維持」とすら言えない可能性があります。


忙しいのに、売上が増えない

さらに厄介なのが、

「店が暇に見えない」

ということです。

昼になれば常連客が来る。

夜になればいつものお客様が飲みに来る。

金曜や土曜には席も埋まる。

経営者自身も毎日忙しく働いています。

だから、

うちはそれなりにお客様が付いている。

という感覚になります。

ところが月末に数字を締めると、

「あれ? 今月もこのくらいか」

となる。

翌月も同じ。

半年後も同じ。

気付けば数年間、月商がほとんど変わっていない。

これが「常連客がいるのに売上が伸びない店」で起きている現象です。


常連客は「人数」だけ見ても分からない

ここで重要なのは、常連客という言葉を感覚だけで捉えないことです。

例えば、

  • 毎週来てくれるお客様
  • 月に一回来てくれるお客様
  • 以前は毎週来ていたが、今は3か月に一度のお客様
  • 何年も通ってくれているお客様
  • 最近2回目の来店をしたお客様

店側から見れば、どのお客様も「常連さん」と呼ぶかもしれません。

しかし、売上という視点から見れば、それぞれの意味は大きく違います。

さらに、毎月10人の新しい常連客が増えていたとしても、同じ月に10人の常連客が来なくなっていれば、店全体の客数は増えません。

店内には相変わらず常連客がいるので、その変化にも気付きにくい。

つまり、

「常連客がいる」という事実だけでは、店が成長しているかどうかは判断できないのです。


売上が横ばいなら、店の中で何かが相殺されている

ここで一度、数字だけを見てみましょう。

3年前の月商が300万円。

現在の月商も300万円。

この数字から確実に言えることがあります。

店の中で起きているプラスとマイナスが、最終的にほぼ相殺されている。

新しいお客様も来ているでしょう。

常連になったお客様もいるでしょう。

客単価が上がった商品もあるかもしれません。

一方で、来なくなったお客様もいる。

来店頻度が落ちたお客様もいる。

売れなくなった時間帯もある。

そのすべてが混ざった結果として、

月商300万円という数字だけが残っています。

だから売上が伸びない店を考えるとき、

「もっと常連客を増やそう」

という一言だけでは、実態を捉えることができません。

まず見るべきなのは、

店の中で、お客様がどう増え、どう残り、どう減っているのか。

その流れです。


「常連がいる」という感覚を、いったん数字に置き換える

飲食店経営では、店内を見ているだけでは分からないことがあります。

顔を覚えているお客様の数。

スタッフと仲の良いお客様の数。

「また来るね」と言ってくれるお客様の数。

これらは店の大切な財産です。

しかし経営を見るなら、それとは別に、

実際に売上がどう作られているのかを数字で確認する必要があります。

常連客がいるのに売上が伸びない。

一見すると矛盾しているように見えるこの現象も、数字に置き換えれば必ず構造があります。

この記事では、その構造を一つずつ分解していきます。


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この記事を書いた人 Wrote this article

新田 敏之

新田 敏之 RBR合同会社 統括 / 男性

RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。