黒字なのになぜお金がない?飲食店の資金繰りが苦しくなる本当の理由と抜け出す方法

Restaurant Business Reform または 飲食店経営改善ブログ

黒字なのになぜお金がない?飲食店の資金繰りが苦しくなる本当の理由と抜け出す方法
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導入 黒字なのに、支払日が怖い

飲食店を経営していると、不思議なことが起こります。

月末に数字を締めてみる。

売上はある。
原価率もそこまで悪くない。
人件費も大きく崩れていない。

損益計算書を見れば、ちゃんと利益も出ている。

黒字です。

ところが、銀行口座を見ると金がない。

カードの引落日が近づく。
給料日が来る。
家賃の支払いが来る。
食材業者への支払いが来る。

月末が近づくにつれて、口座残高がどんどん減っていく。

そして最後には、

「すみません。支払いを少し待ってもらえませんか」

と取引先に連絡する。

黒字なのに、支払いができない。

経営者からすると、かなり理解しにくい状態です。

「利益が出ているなら、その金はどこにあるんや?」

当然そう思います。

ところが、ここには飲食店経営で非常に重要な勘違いがあります。

利益と、銀行口座に残っている現金は同じものではありません。

ここを理解しないまま経営していると、

「売上をもっと上げれば楽になる」

「原価をもう少し削ろう」

「人件費を減らそう」

と、目の前の損益だけを改善しようとしてしまいます。

もちろん、それらも大切です。

ただし、店が黒字なのに毎月資金繰りに苦しんでいるのであれば、見るべき数字は利益だけではありません。

たとえば、非常に単純化してこんな店があったとします。

項目金額
月商600万円
食材原価▲200万円
人件費▲110万円
家賃▲50万円
水道光熱費▲35万円
その他経費▲155万円
営業利益50万円

これだけを見ると、

毎月50万円ずつ金が増えていく店

に見えます。

1年間続けば600万円。

「これなら少しずつ資金も貯まっていくやろ」

と思います。

ところが、実際にはそうならないことがあります。

たとえば、この店が過去の赤字を抱えていたとします。

さらに、開業時や設備投資で借りた借入金を毎月返済している。

クレジットカードやキャッシュレス決済の売上は、売上が立った日と実際に口座へ入金される日が違う。

税金の支払いもある。

設備が壊れれば修理費も出ていく。

以前に支払いを待ってもらった仕入代金が残っていれば、それも払わなければならない。

つまり、

今月50万円利益が出たからといって、今月50万円現金が増えるとは限らない。

ここが黒字なのに金がない店を理解する最初のポイントです。

経営には、大きく分けて二つの数字があります。

一つは、

「今月の商売は儲かったのか」を見る数字。

もう一つは、

「実際にいくら金が入って、いくら出ていったのか」を見る数字。

前者が利益。

後者がキャッシュです。

この二つは似ていますが、まったく同じ動きをするわけではありません。

だから、

利益が出ているのに、現金が減る。

という現象が普通に起こります。

そして、さらに厄介なのが過去の赤字です。

たとえば、開業から半年間で資金を600万円減らした店が、その後ようやく黒字化したとします。

毎月50万円の利益を出せるようになった。

経営者としては、

「やっと黒字になった」

と感じます。

これは間違いではありません。

ただ、資金繰りという視点では少し違います。

過去に失った600万円が消えたわけではないからです。

仮に毎月50万円ずつ本当に現金を残せたとしても、

600万円 ÷ 50万円=12か月

かかります。

つまり、

黒字化した瞬間に経営が楽になるわけではない。

黒字化は、資金繰り改善のスタート地点になることもあります。

ここを知らないと、

「半年も黒字なのに、なんでまだ金がないんや」

となります。

しかし数字で見れば、不思議でも何でもありません。

過去に空いた穴を、現在の利益で少しずつ埋めている途中なのです。

しかも実際の経営では、そこへ借入返済、税金、設備投資、支払いサイト、キャッシュレス決済の入金タイミングなどが重なります。

だから資金繰りは、損益計算書だけ見ていても分かりません。

この記事では、

「利益は出ているはずなのに、金はどこへ消えた?」

という疑問を、できるだけ単純な数字に分解していきます。

難しい会計の話をしたいわけではありません。

知りたいのはもっと現実的なことです。

なぜ金が残らないのか。

毎月、本当はいくら残せているのか。

過去に空いた穴はいくら残っているのか。

この状態を続ければ、いつ資金繰りが楽になるのか。

そして最終的には、

「今月黒字だった」ではなく、「この店はいつ現金が残る経営になるのか」

そこまで数字で見える状態を作っていきます。


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この記事を書いた人 Wrote this article

新田 敏之

新田 敏之 RBR合同会社 統括 / 男性

RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。