飲食店でランチは入るのに夜が弱い原因とは?ディナー売上を伸ばす改善策
Restaurant Business Reform または 飲食店経営改善ブログ

第1章 ランチとディナーは「別の店」と考える

「ランチは結構入るんです。でも、夜になると全然お客さんが来ないんです」
飲食店の相談を受けていると、こういう話は珍しくありません。
昼は満席になる時間帯もある。
ランチタイムには毎日30人、40人と来店してくれる。
ところが17時を過ぎると、急に店が静かになる。
18時になっても数組。
19時になっても席が埋まらない。
経営者からすると、不思議に感じると思います。
「昼にこれだけお客さんが来ているのに、なぜ夜は来ないのか?」
ここで最初に考えてほしいことがあります。
私は、ランチとディナーをほぼ別の店として考えた方がいいと思っています。
同じ場所で、同じ厨房を使い、同じ料理を提供していたとしても、お客様が店を選ぶ理由が違うからです。
昼と夜でお客様が店を選ぶ理由がどう変わるのか。メニューや接客を見直す考え方を、こちらの英語動画でもお話ししています。
ランチのお客様は「目的」が比較的はっきりしている
例えばランチで店を探すとき、お客様は何を考えているでしょうか。
「お腹が空いた」
「近くで何か食べたい」
「1,000円くらいで食べたい」
「仕事に戻らないといけないから早く食べたい」
「今日はハンバーグが食べたい」
こうした、かなり具体的な目的を持っています。
だからランチでは、
- 価格
- ボリューム
- 提供スピード
- 立地
- 分かりやすい商品
- お得感
こういった要素が非常に強くなります。
例えば、
「ハンバーグ定食1,080円。ご飯・味噌汁おかわり自由」
これだけでも、ランチでは十分に強い来店理由になり得ます。
商品と価格を見た瞬間に、
「ここで昼飯を食べよう」
という判断ができるからです。
ところが夜になると、店を選ぶ理由が変わる
夜のお客様を考えてみます。
家族で晩ご飯を食べる。
夫婦で外食する。
友人と飲みに行く。
仕事帰りに一杯飲む。
恋人と食事をする。
常連のお店に顔を出す。
ランチと比べると、単純に「空腹を満たす」という目的だけではありません。
誰と、どんな時間を過ごすのか。
この要素が一気に大きくなります。
だから私は、夜営業では料理そのものだけではなく、
「その店で過ごす時間」
まで商品として考える必要があると思っています。
ここが、ランチは入るのに夜が弱い店を分析するときの最初のポイントです。
昼に強い商品を、そのまま夜に持ってきても強いとは限らない
例えば、昼に1,200円の定食が大人気だったとします。
ボリュームがある。
価格も安い。
提供も早い。
ランチとしては非常に強い商品です。
だから経営者は考えます。
「これだけ人気なんだから夜も売れるだろう」
しかし、実際にはそうならないことがあります。
商品が悪いわけではありません。
お客様が夜に店を選ぶ基準と、その商品の強みが噛み合っていない可能性があるからです。
夜7時。
家族4人で「今日は外で食べよう」となったとき。
友人3人で「どこか飲みに行こう」となったとき。
夫婦で「今日は外食しよう」となったとき。
この瞬間、お客様が考えているのは、
「1,200円の定食がある店はどこだろう?」
だけではありません。
「子どもが食べられるものはあるかな」
「ゆっくりできるかな」
「お酒を飲めるかな」
「いろいろ注文できるかな」
「ちょっと楽しい店かな」
「わざわざ今日ここへ行く理由があるかな」
店を選ぶ判断材料が増えるのです。
だから「昼が強い=店が強い」とは限らない
これは非常に重要です。
ランチが繁盛していると、経営者は店そのものに集客力があると思いやすい。
もちろん、一定の商品力や認知があるからランチにお客様が来ている。
これは間違いありません。
ただし、その強さが、
どの時間帯でも通用する強さなのか。
ここは分けて考える必要があります。
例えば、
駅から近い。
会社から近い。
安い。
早い。
ボリュームがある。
こうした強みでランチに40人来ていたとしても、その40人が夜にも店を選ぶ理由にはならないことがあります。
むしろランチが強い店ほど、
「なぜ昼は選ばれているのか?」
を一度分解してみるべきです。
すると、
「料理が圧倒的に支持されていると思っていたけれど、実は立地と価格が強かった」
「ボリュームが評価されているけれど、それはランチ需要に対する評価だった」
ということも見えてきます。
ランチとディナーでは、経営するゲームが変わる
かなり単純化すると、私はこう考えています。
| ランチ | ディナー |
|---|---|
| 食事目的が強い | 時間・体験目的が強くなる |
| 価格が重要 | 総合的な価値が重要 |
| スピードが重要 | 滞在価値が重要 |
| 一人客も多い | 複数客が増える |
| 商品単体で選ばれやすい | 店全体で選ばれやすい |
| 回転が売上を作る | 客単価も売上を大きく左右する |
もちろん、業態や立地によって違いはあります。
しかし、昼夜で客数に大きな差が出ている店なら、まずこの視点を持ってほしいと思います。
昼と夜を同じ商売として考えないこと。
夜が弱い店を改善するとき、私はまずここから考えます。
「ランチで何が売れているか」だけを見るのではなく、
「夜のお客様は、何を求めてこの店に来るのか?」
を改めて設計する。
ここが夜営業改善のスタート地点です。
そして次に考えなければならないのが、
「そもそも昼に来ているお客様は、夜にも来るお客様なのか?」
という問題です。
実はここを勘違いしている店が、かなり多いと思っています。
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この記事を書いた人 Wrote this article
新田 敏之 RBR合同会社 統括 / 男性
RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。