- 接客・スタッフ教育
- 2026年9月13日
「67.9歳まで活躍してほしい」を飲食店はどう読むか|長く働ける店を作る、役割と引き継ぎの設計
「この人には、できるだけ長く働いてほしい」。店を支えてくれて……

唐揚げ店の倒産が減ったというニュースを見て、「また唐揚げが売れる時代になるのか」と感じた方もいるかもしれません。飲食店を経営していると、こうした動きは気になります。今のメニューに加えられるのか。空いている時間に持ち帰りを始められるのか。既存の厨房を使って、もう一つ売上を作れないか。
ただ、業態のニュースを読む時こそ、一度立ち止まって考えたいことがあります。倒産が減ったことと、新しく始めた店が利益を残せることは、そのままつながるのでしょうか。
今回のRBRの見解は、唐揚げを始めるかやめるかという結論ではありません。ブームが落ち着いた商品を、自分の地域のお客様に買い続けてもらうには何を設計するのか。持ち帰り商品を例に、客数の見方、商品構成、原価、作業時間、検証の順番まで掘り下げます。本文の試算や店舗場面は説明用の仮例です。実在店舗の実績を示すものではありません。
※掲載画像は内容を説明するためのAI生成イメージです。実在店舗・人物の記録写真ではありません。
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帝国データバンクが2026年9月1日に公表した調査では、持ち帰りを中心とする唐揚げ店経営業者の倒産は、2026年1〜8月に2件でした。対象は負債1,000万円以上の法的整理です。店の閉店すべてを数えた統計ではありません。
また、公表資料2ページのグラフでは2025年の15件は年間、2026年の2件は1〜8月の値として示されています。比較期間が違うため、本記事では「前年の同じ8か月と比べて9割減った」とは表現しません。ニュースの見出しを、そのまま自店の判断材料にする前に確認しておきたい点です。
出典:帝国データバンク「唐揚げ店」の倒産動向(2026年1-8月)。公表日と対象期間は上記のとおりで、2026年9月11日に確認しました。
ここから先は、この数字を受けたRBRの考察です。倒産件数だけでは、一店当たりの売上、利益、店主の労働時間までは分かりません。営業を続けていることと、十分な所得を得て無理なく働けていることも分けて考える必要があります。
例えば、店主が休みを減らして支払いをつないでいる店と、スタッフに任せられ、設備更新のお金まで残せている店は、どちらも営業中です。しかし、次の一年に取れる選択肢は大きく違います。経営者が知りたいのは、看板が残っているかだけではないはずです。
自分の店へ話を戻すなら、確認する数字は三つあります。どの利用場面で買われているか。一回の購入から、いくら残るか。そして、その購入を受け入れるために誰の時間をどれだけ使うか。この三つが見えて、初めてニュースが現場の判断につながります。

持ち帰りを始めると考えた時、最初の話し合いが味付けになることがあります。しょうゆ味か、塩味か。大きくするか、ソースをかけるか。商品を作る人にとっては自然な順番です。ただ、売る相手の生活が見えないままでは、料理の完成度だけが上がり、買う理由が曖昧なまま残ることがあります。
例えば、平日の夕方に家へ帰る途中のお客様を想像してみます。家にはご飯がある。汁物も用意できる。でも、今日は主菜を作る気力がない。この方に必要なのは、必ずしも大きな弁当ではありません。家族で分けられ、寄り道の負担が小さく、帰ってすぐ食卓に出せる一品かもしれません。
一方、一人で遅い昼食を取る方なら、ご飯と副菜がそろった一食の方が便利かもしれません。同じ唐揚げでも、買われる場面が違えば、量、組み合わせ、受け取り方の答えは変わります。「人気料理だから売れる」で止めると、この違いを取り逃がします。
ここで大切なのは、想像をそのまま事実にしないことです。まず既存のお客様との短い会話や注文の組み合わせを記録します。単品を買った方は何に合わせるのか。何時に取りに来たいのか。量が足りないのか、むしろ多すぎるのか。無理に個人情報を集める必要はなく、利用場面の傾向が分かれば十分です。
「夕食用の主菜として、仕事帰りに受け取りたい方がいる」という仮説が立てられたら、その方に合う小さな商品を試します。主菜だけの販売と弁当販売を、最初から同じ成功基準で比べないことも必要です。購入人数も、使う食材も、準備にかかる時間も違うからです。
RBRが出発点にしたいのは、流行している料理の名前より、お客様の一日の中で店が引き受ける役割です。その役割が具体的になるほど、余計なメニューを増やさずに、伝える言葉を絞れるようになります。

新しい持ち帰り商品を告知すると、普段のお客様が応援の気持ちで買ってくださることがあります。それはありがたいことです。ただ、発売直後の売上だけを見て、「この商品には毎日このくらいの需要がある」と決めるのは早いかもしれません。新しさで一度買う理由と、生活の中で繰り返し買う理由は分けて確認したいところです。
二回目の購入を考えると、味以外の条件が見えてきます。営業時間が自分の帰宅時間と合うこと。受け取り時間の見通しがつくこと。家族に分けやすいこと。前回と量や品質が大きく変わらないこと。こうした小さな安心が、候補に入れてもらう土台になります。
例えば、初回は揚げたてでおいしかったのに、二回目は受け取りまで長く待ち、帰宅後には蒸れていたとします。調理担当者は同じレシピで作ったつもりでも、お客様が買った体験は同じではありません。レシピの統一だけでは、再購入の条件を満たせない場面があります。
記録も、売れた個数だけから少し広げます。一日の販売数に加え、初めてか、以前も購入したかを分かる範囲で残します。分からない注文は不明として扱えばよく、顔を覚えた感覚だけで常連比率を作る必要はありません。確認のための声かけが接客の負担になるなら、少数の聞き取りでも構いません。
また、二週間売ってリピートが少ないからといって、すぐ失敗とも言えません。週に何度も買う商品なのか、月に一度の家族用なのかによって、観察すべき期間が違います。購入頻度を店の都合で決めず、お客様の使い方に合わせて評価します。
値引きで二回目を作る方法もありますが、値引きが終わった後の購入を見なければ、通常価格で選ばれているかは分かりません。特典利用と通常購入を分けるだけでも、判断は変わります。
長く続く商品を作るなら、「何人が一度試したか」と同時に、「どんな理由でまた買ったか」を確かめる。その理由を、次の注文でも再現できるところまで整えることが必要です。

買う理由が見えてくると、次は品ぞろえを増やしたくなります。唐揚げ弁当だけでなく、丼も作れる。別の揚げ物も追加できる。ソースを変えれば種類も増やせる。お客様の選択肢が広がる一方で、厨房側の条件も変わります。
一つ追加した商品が、本当に一つ分の仕事で済むとは限りません。専用食材の発注、保管場所、仕込み、器具、盛り付け、説明、在庫確認が増えます。あまり売れない商品ほど、その一食のために維持している仕事が見えにくくなります。
仮に同じ唐揚げを使い、単品と弁当の二つを用意するとします。主要食材を共用できる点は利点ですが、ご飯の炊飯量、副菜の管理、容器、詰める場所は別に必要です。「同じ肉を使うから簡単」と判断せず、注文を受けてから渡すまでを書き出して確認します。
一方で、食材の共用だけを優先しすぎるのも考えものです。何を頼んでも見た目と味がほとんど同じになれば、お客様にとって選択肢が増えた意味が薄くなります。厨房の都合と、食べる方にとっての違いを両方見ることが大切です。
新商品の検討には、紙一枚で十分です。誰のどの食事に使われるか。既存商品と何が違うか。新しく必要な食材は何か。混雑時に増える工程は何か。売れ残った時の扱いはどうするか。この五つを書けない商品は、まだ追加の判断を急がなくてもよいでしょう。
特に、専用食材が増える商品は少量で始めます。仕入れ単価を下げるための大口購入が、廃棄を増やしてしまえば、実際の一食当たり負担は軽くなりません。仕入れた量でなく、販売できた量までつなげて確認します。
品ぞろえは多さを競うものとして考えるより、引き受ける食事の場面に合わせて整える方が判断しやすくなります。既存商品で満たせる注文なのか、新たな選択肢が必要なのか。その線を引くことが、働く人の覚える負担も守ります。

新商品を考える時、鶏肉、ご飯、副菜を足して「原価はこのくらい」と試算します。ただ、持ち帰りでは容器や袋も毎回使います。調味料や油の扱いが曖昧なら、材料原価の見積もり自体がずれます。販売価格から何を引いた金額なのかを、最初にそろえておく必要があります。
以下は仕組みを説明するための仮例で、価格相場や推奨価格ではありません。計算はすべて税抜きでそろえ、店頭で直接販売する弁当一食の売上を800円とします。食材と調味料等が280円、容器と袋が50円、注文に応じて生じるその他費用を20円と置くと、一食当たり450円が残ります。
この450円は最終利益ではありません。ここから、その商品のために追加した人件費や販売期間中のその他の費用を負担します。家賃など既存の固定費も店全体では残っています。数字の名前を「利益」とだけ書くと、店に残せる金額を大きく見積もりやすくなります。
仮に一日30食販売すれば、この段階での残額は13,500円です。追加の準備・販売作業に合計3時間かかり、その時間の負担を1時間1,500円で評価すると4,500円。さらに試験販売に伴う廃棄や追加の光熱費などを一日1,000円と仮定すれば、差し引き8,000円です。これは既存固定費などを差し引く前の追加貢献額という位置付けです。
同じ条件で15食しか売れなければ、6,750円から5,500円を引き、1,250円になります。この単純モデルで5,500円を回収するには、5,500÷450を切り上げて13食が必要です。ただし、仕込み量によって廃棄が増える、作業時間が変わるなど、現実の条件は一定ではありません。
売れ残りを計算に入れる時は、材料費に含めた分を再び廃棄費用として足さないよう注意します。実際に仕入れ・使用した材料費で集計する方法か、標準原価と差額に分ける方法かを決め、二重計上を避けます。
店主が自分で作業する場合も、時間をゼロ円として片付けないことです。現金の支出が増えなくても、その時間にできた仕込み、面談、休息は失われます。支払いとしての人件費と、判断のための時間評価は分けて記録すると、無理を利益と取り違えにくくなります。

昼と夜の間に厨房が空いている。だから、その時間に持ち帰りを売ろう。既存設備を使う発想には価値があります。ただ、その時間に作れることと、お客様がその時間に買いたいことが一致するかは、別に確かめる必要があります。
夕食用の商品なら、注文や受け取りが店内営業の準備時間、あるいは夜の営業開始と重なるかもしれません。昼間に余裕があっても、夕方の十五分に注文が集中すれば、困る場所は変わります。一日の合計食数だけでは、その混み方が見えません。
例えば、三十分で十件の受け取りが入り、同時に店内のお客様から注文が入る場面を考えます。揚げる作業が間に合っても、ご飯を詰める、商品を確認する、会計する、呼び出すという工程で詰まることがあります。設備だけでなく、人の移動や手の空き方まで見る必要があります。
試験販売では、注文時刻と受け渡し時刻を少数でも記録します。待ち時間が伸びた注文について、調理待ちだったのか、包装待ちだったのか、接客の中断が重なったのかを確認します。理由が分かれば、増員する前に置き場所や受付方法で改善できる部分が見つかるかもしれません。
予約を使う場合も、受け取り枠の数は厨房の実力に合わせます。予約が入るだけ受けてしまえば、店頭注文より集中することもあります。最初は対応できる少量に絞り、約束した時間に渡せるかを確認してから増やす方が、次の注文を受けやすくなります。
ここで評価したいのは、新しい商品の売上と既存営業への影響を合わせた結果です。持ち帰りの注文が増えても、店内の提供が遅れ、追加注文を受けられず、閉店後の片付けが延びたなら、その負担も記録します。担当者が頑張って吸収した分を、なかったことにしないためです。
厨房の余力とは、機械が動いていない時間だけを指すものではありません。準備、調理、包装、接客、片付けをつなぎ、約束した品質で渡せる余地があることです。その範囲を見極めてから売る量を増やしたいと考えます。

揚げたてを厨房で試食すると、おいしい。それだけで持ち帰り商品としての確認を終えると、見落とすことがあります。お客様は箱に入った商品を持ち歩き、家で開け、ほかのおかずを並べてから食べるかもしれません。店で作った直後と、食卓に届いた時では条件が変わります。
そこで、想定する受け取りから食事までの流れを、自分たちでも再現します。使う容器に実際の量を詰め、通常の持ち運びを想定して、開封時の見た目、衣の状態、汁漏れ、食べやすさを確認します。これは商品の使い心地を見る作業であり、衛生上の保存可能時間を判定する試験とは別です。
確認の際は、安全な取扱条件を前提にし、味見の結果だけで長時間の保存を認めないようにします。衛生管理や表示は販売方法・商品に応じて所管の保健所などに確認すべき事項です。厚生労働省も、購入後は速やかに食べるようお客様へ伝えることなどを案内しています。具体的な管理は、厚生労働省「テイクアウト・デリバリーにおける食中毒予防」も確認してください。
商品としての確認では、ご飯とおかずを一緒に入れた時の状態も見ます。仕切りの位置によって食べやすさは変わります。ソースを別にすると品質を調整しやすくても、小袋を付け忘れる工程が増えるかもしれません。容器単価が少し安くても、漏れや入れ直しが増えれば、総負担は軽くなりません。
包装を変える時には、スタッフが忙しい時でも同じ手順で扱えるかを見ます。店主だけがきれいに詰められる方法では、担当が変わるたびに品質が揺れます。完成状態の写真、入れる順番、確認する箇所を簡潔に共有するだけでも、判断をそろえやすくなります。
お客様への案内も商品に含まれます。受け取り方法や持ち帰り後の扱いについて、必要な情報が読める形で伝わっているか。説明が長すぎて会計を止めていないか。必要事項を省くのではなく、口頭と紙面の役割を整理します。
この段階で、味付けを何種類も増やす必要はありません。一つの商品を、別の日、別の担当者でも同じ状態で届けられること。その再現性が整ってから選択肢を広げる方が、改善する原因を見失いにくくなります。

新しい販売を始める時、成功した後の姿は想像しやすいものです。注文が増え、専門の担当者を置き、売上の柱になる。一方、思ったように売れなかった時にどうするかは、後回しになりがちです。RBRは、始める前に見直せる範囲を決めることも、前向きな経営判断だと考えます。
例えば、既存厨房を使い、対象を平日の夕食用に絞り、一種類の主菜を受け取り予約で試す形が考えられます。最初から専用設備や大量の印刷物をそろえるのではなく、今ある条件で何が分かるかを明確にします。ただし、必要な衛生上の準備や品質確認を省く意味ではありません。
試験の紙には、期間、販売する曜日と時間、受付上限、通常価格、追加費用の上限、担当を記載します。そして、何を確かめる試験なのかを一文にします。「仕事帰りの主菜需要があるか」と「大盛りなら売れるか」は違う問いです。一度に全部を変えると、結果が出ても理由を説明しにくくなります。
中止や調整の条件も具体的にします。約束した受け取り時間を守れない注文が続く。店内営業に支障が出る。予定した作業時間を大きく超える。こうした条件は、売上が伸びていても立ち止まる理由になります。安全や品質の問題があれば、期間終了を待たず対応します。
一方、初日の販売数が少なかっただけで商品を否定する必要もありません。告知を見た方が少ないのか、価格や量が合わないのか、受け取り時間が合わないのかを分けて考えます。販売数は最終結果なので、その前にどこで注文へつながらなかったかを見ます。
既存のお客様に試していただく段階と、地域の新しいお客様に届くかを見る段階も区別します。前者の好評を、そのまま商圏全体の需要として計算しないためです。次の試験に進む条件が分かれば、追加費用をかける判断にも根拠ができます。
小さく始める価値は、失敗を小さくするだけではありません。現場の疑問を残さず、何を変えたらどう動いたかを説明できることです。その説明ができるようになると、伸ばす時にも同じ判断を繰り返せます。

試験販売が終わったら、まず売上を確認するでしょう。ただ、そこで終わると、忙しかった印象が評価を引っ張ります。始める前に決めた項目と、実際に起きたことを並べ、継続、修正、休止を判断します。
最初に見るのは、販売数と購入の場面です。想定した夕食需要があったのか。注文は特定の曜日に偏ったのか。どの時間に受け取りが集中したのか。売れた日だけを選ばず、少なかった日も含めます。天候や近隣行事など、比較に影響しそうな出来事も短く残しておくと役立ちます。
次に、売上から注文に応じて増えた費用を引き、さらに追加の労働時間や試験に伴う費用を確認します。第5章のような標準の試算と実績の差を見れば、想定が外れた場所が分かります。量のばらつきか、売れ残りか、包装の手間か。差額があること自体より、説明できないまま販売を増やすことが問題です。
店全体への影響も並べます。店内のお客様の待ち時間はどうだったか。既存商品の注文を置き換えただけではなかったか。仕込みや片付けは延びなかったか。新しい売上が追加されたように見えても、元々買われていた商品から移った分が多ければ、増分は小さくなります。
例えば、普段1,000円の店内食を利用する方が800円の持ち帰りへ移った場合、800円をすべて純増と見ることはできません。ただし、席や接客時間が空き、その分ほかのお客様を受け入れられたなら、別の効果もあります。売上だけで良し悪しを決めず、費用と時間の変化まで確認します。
数字を見た後は、担当した人の話を聞きます。どこで焦ったか。何を何度も探したか。休憩や本来の作業が削られなかったか。「慣れればできる」で片付ける前に、実際に慣れで短くなる工程なのか、注文ごとに必ず発生する工程なのかを分けます。
継続するなら、量を増やす前に一つ改善します。修正するなら、価格、量、時間帯など、変える要素を絞ります。休止するなら、何が条件として合わなかったかを残します。やめた試験にも、次の判断で同じ費用を使わずに済む価値があります。

唐揚げ店の倒産件数というニュースから、ここまで持ち帰り商品の設計を考えてきました。数字は業界の一面を知るきっかけになります。ただ、自分の店で何を始めるかを決める時には、その地域で買われる場面と、現場で受け入れられる条件へ、話を戻す必要があります。
RBRが大切にしたいのは、料理を通じて、誰のどんな時間を助けられるのかという視点です。帰宅後に主菜を作る負担が軽くなる。短い昼休みに、安心して一食を選べる。家族の食卓に、少し楽しみが増える。その価値が伝わり、価格と量に納得していただけるなら、繰り返し買う理由につながります。
同時に、その価値を提供する人の時間も守らなければ続きません。売れるたびに店主の休みが消える。追加の注文を受けるほどスタッフが焦る。そうした構造を、努力だけで支えるのには限界があります。注文の受け方、商品の数、設備の使い方を整えることも、お客様に安定した品質を届ける仕事です。
新しい業態名を付けなくても、今の店の強みから作れる商品はあるかもしれません。すでに使っている食材、繰り返し作っている工程、日々会っているお客様。その中から一つの利用場面を見つけ、無理なく届けられる形にする。そこで分かったことを積み重ねれば、次に広げる根拠ができます。
明日から取り組むなら、まず現在のお客様が持ち帰りで困っていることを一つ聞いてみる。そして、一商品だけ、原価と容器と作業時間を書き出す。さらに、どの時間なら約束した状態で渡せるかをスタッフと確認する。この順番なら、大きな投資を決める前に、確かめられることがあります。
以前のRBR記事でも、売上の変化に対してすぐメニューを変える前に、原因を考える姿勢を伝えてきました。今回も同じく、仮説を置き、現場で確かめ、数字と人の負担を見て判断します。関連記事:飲食店の売上が落ちたら、メニューを変える前に原因を疑え。
ブームの後にも買い続けてもらえる店を作るには、毎回の注文に、利益と品質と働く余地が残ることが必要です。唐揚げという商品をきっかけに、自分の店が地域の中で引き受けられる役割を、もう一度具体的に考えてみてはいかがでしょうか。
RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。