飲食店の売上改善は、客数を増やす前に「どこで売上が落ちているか」を分解する

Restaurant Business Reform または 飲食店経営改善ブログ

飲食店の売上改善は、客数を増やす前に「どこで売上が落ちているか」を分解する
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売上=客数×客単価×来店頻度。感覚ではなく数字で考える飲食店経営

1.はじめに



売上が悪いと、すぐに「集客しよう」と考えてしまう

飲食店を経営していると、売上が思うように上がらない時期があります。

昨日より来店客が少ない。
前年と比べて売上が下がっている。
平日の夜だけ、なかなか席が埋まらない。

このような状況になると、多くの経営者が最初に考えるのが「もっと集客しなければならない」ということではないでしょうか。

そこで、InstagramやGoogleに広告を出したり、LINEでクーポンを配ったり、期間限定の値下げを始めたりします。

新しいお客様に興味を持ってもらうために、新メニューを増やすこともあります。SNSの投稿回数を増やし、毎日のように料理の写真やキャンペーン情報を発信することもあるでしょう。

もちろん、これらの施策が間違っているわけではありません。

広告も、クーポンも、新メニューも、正しく使えば売上改善につながる有効な手段です。

しかし、売上が落ちている原因を確認しないまま施策を始めてしまうと、期待したほどの効果が出ないことがあります。

たとえば、本当の原因が「一度来店したお客様が二度目につながっていないこと」だったとします。

その状態で新規集客の広告を増やせば、新しいお客様は一時的に増えるかもしれません。しかし、そのお客様も再来店しなければ、広告を止めた途端に客数は元に戻ってしまいます。

また、客数には問題がなく、客単価が下がっていることが原因かもしれません。

その場合、必要なのは新規客を増やす広告ではなく、メニュー構成や追加注文の導線を見直すことです。

あるいは、売上そのものは十分にあるのに、値引きや原価、人件費、広告費が増えたことで、利益だけが残っていない可能性もあります。

この状態を「売上が悪い」と捉えて、さらにクーポンや値下げを増やしてしまえば、忙しくなっているのに利益は減るという状況にもなりかねません。

売上が下がったときに、思いついた施策をすぐ実行する行動力は大切です。

ただし、原因を特定しないまま施策を増やしていくと、広告費や食材原価、現場の作業負担だけが増えてしまいます。

新メニューを増やせば、仕込みや在庫管理が増えます。
クーポンを配れば、値引きによって利益率が下がります。
広告を増やせば、当然ながら広告費が発生します。
SNSの更新を増やせば、そのための時間や人手も必要です。
一つひとつの施策には、必ず費用や負担が伴います。

だからこそ、売上が悪いと感じたときに、最初にやるべきことは「新しい施策を考えること」ではありません。

まず確認するべきなのは、なぜ売上が落ちているのかを分解することです。

✅客数が減っているのか。
✅客単価が下がっているのか。
✅リピーターが減っているのか。
✅特定の曜日や時間帯だけが弱いのか。
✅売上はあるものの、利益が残っていないのか。

原因によって、必要な対策はまったく違います。

売上改善とは、広告やキャンペーンを次々に追加することではありません。

現在の数字を確認し、問題が起きている場所を見つけ、そこに合った施策を一つずつ実行することです。

まずは「集客しなければ」と考える前に、今のお店の売上がどこで落ちているのかを冷静に整理する。

それが、飲食店の売上改善における最初の一歩です。

広告やSNSを増やす前に、看板メニュー、価格の伝わり方、接客や仕込みを見直す視点を、こちらの動画でもお話ししています。

2.飲食店の売上は分解して考える

飲食店の売上改善を考えるうえで、最初に理解しておきたいことがあります。

それは、売上は一つの数字ではなく、いくつかの要素が組み合わさってできているということです。

多くの経営者は、「今月の売上は500万円だった」「去年より30万円下がった」と、売上という結果だけを見てしまいがちです。

しかし、その数字だけを見ても、何が原因なのかは分かりません。

まずは、売上を分解して考えることが重要です。

飲食店経営で最も基本となる考え方は、

売上 = 客数 × 客単価

という式です。

つまり、売上を増やす方法は大きく分けると二つしかありません。

一つは、お客様の数を増やすこと。

もう一つは、一人あたりの利用金額(客単価)を上げることです。

ただし、実際の店舗経営では、この式だけでは十分ではありません。

なぜなら、客数の中には「初めて来店したお客様」と「何度も来店してくださるお客様」が含まれているからです。

私自身は、現場では次のように考えるようにしています。

売上 = 新規客 + リピーター客 × 来店頻度 × 客単価

この考え方にすると、「客数が減っている」という漠然とした問題が、より具体的に見えてきます。

例えば、新規のお客様は増えているのに、二度目の来店につながっていないのかもしれません。

逆に、新規客は少なくても、常連のお客様が毎月来店してくださることで売上が安定している店舗もあります。

どちらの状態なのかによって、打つべき施策はまったく変わります。

そのため、売上改善を行う際には、売上だけを見るのではなく、次のような数字を確認することが大切です。

  • 来店客数
  • 新規客数
  • リピーター数
  • 客単価
  • 来店頻度
  • 時間帯別売上
  • 曜日別売上
  • 店内売上
  • デリバリー売上

例えば、「店内の売上が落ちている」と感じても、デリバリーは順調に伸びているかもしれません。

平日の夜だけ弱いのか、土日のランチだけ弱いのかでも、必要な対策は変わります。

客数は十分なのに客単価が低いのであれば、追加注文やセット商品の提案を見直すべきでしょう。

反対に、客単価は維持できているのに客数が減っているのであれば、認知度や集客方法、リピーター対策を改善する必要があります。

つまり、「売上が悪い」という一つの結果だけを見て判断してはいけません。

売上を細かく分解し、どの数字に問題があるのかを把握して初めて、本当に効果のある改善策を考えることができます。

飲食店経営は感覚だけで判断するものではありません。

数字を分解し、原因を見つけ、一つずつ改善していく。

それが、安定して利益を残し続ける飲食店づくりの第一歩だと私は考えています。

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この記事を書いた人 Wrote this article

新田 敏之

新田 敏之 RBR合同会社 統括 / 男性

RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。