
Uber Eats・出前館・Rocket Nowを運営しながら見えた、本当に効果があった改善策を公開します。
1.はじめに

デリバリーは、出店するだけでは売れない
飲食店のデリバリーを始めるとき、多くの方が最初に期待するのは、「掲載さえすれば、すぐに注文が入る」という状態ではないでしょうか。
Uber Eatsや出前館などに店舗を登録し、商品を並べ、営業を開始する。
ここまで進めば、あとは注文を待つだけ。
私自身も、始める前はどこかでそのように考えていました。
しかし、実際に運営してみると、デリバリーはそれほど単純ではありません。
掲載を始めても、最初から注文が鳴り続けるわけではありません。
お店の存在を知られていなければ、商品ページを見てもらうことすらできません。ページを見てもらえたとしても、写真や価格、商品名、説明文に魅力がなければ、注文にはつながりません。
つまり、デリバリーは「出店した時点で完成」ではなく、出店したところから改善が始まる商売です。
最初は、思うように注文が鳴らない
デリバリーを始めたばかりの店舗には、注文実績も評価もありません。
お客様から見れば、その店が本当においしいのか、量が十分なのか、きれいな状態で届くのかが分からない状態です。
同じエリアには、すでに多くの注文実績や高評価を持つ競合店も並んでいます。
その中から、まだ実績のない店舗を選んでもらうのは簡単ではありません。
数時間待っても注文が入らない。
昼のピークが終わっても、ほとんど鳴らない。
掲載した商品には自信があるのに、見てもらえている感覚すらない。
このような状況になると、「デリバリーはこの地域では需要がないのではないか」「うちの商品は向いていないのではないか」と考えたくなります。
しかし、注文が鳴らない理由は、商品の味だけではありません。
そもそも表示されていないのかもしれません。
表示されていても、写真を見て選ばれていないのかもしれません。
価格が高く感じられているのかもしれません。
商品数が多すぎて、何がおすすめなのか分からない可能性もあります。
一つの原因だけで注文が入らないとは限らないのです。
写真だけ良くしても、売上は完成しない
デリバリーでは、写真が非常に重要です。
お客様は料理を実際に見ることも、香りを感じることもできません。
スマートフォンの画面に表示された写真を見て、「おいしそう」「食べてみたい」と判断します。
そのため、暗い写真やボリューム感が伝わらない写真よりも、料理の魅力が分かる写真の方が選ばれやすくなります。
私たちも、写真の見直しを何度も行ってきました。
ただし、写真をきれいにすれば、それだけですべての商品が売れるわけではありません。
写真が魅力的でも、商品名が分かりにくければ選ばれません。
価格と内容のバランスが悪ければ、カートには入りません。
人気商品が埋もれていたり、似たような商品が多すぎたりすると、お客様は選ぶことに疲れてしまいます。
さらに、写真を見て注文しても、実際に届いた商品の量や盛り付けが写真と大きく違えば、次の注文にはつながりません。
写真は非常に大切です。
しかし、写真は売上をつくる要素の一つであって、売上を保証するものではありません。
広告だけ出しても、利益は残らない
注文が少ないとき、広告を出せば解決すると考えることもあります。
確かに広告を使えば、表示回数が増え、今までお店を知らなかったお客様に商品を見てもらえる可能性は高まります。
しかし、広告は売れない商品を自動的に売れる商品へ変えてくれるものではありません。
広告によって多くの人に表示されても、写真や価格、商品構成が弱ければ、クリックされないまま広告費だけがかかります。
注文につながったとしても、割引や広告費、プラットフォーム手数料を考慮すると、売上は増えているのに利益がほとんど残らないこともあります。
広告で一時的に注文を増やせても、商品に満足してもらえなければリピートにはつながりません。
広告を止めた瞬間に注文も止まる状態では、安定した事業とはいえません。
広告は、良い商品や良いページを多くのお客様に見つけてもらうための手段です。
受け皿が整っていない状態で広告費だけを増やしても、効率の良い売上にはなりにくいのです。
売上をつくったのは、一つの大きな施策ではない
ガブ飲み食堂のデリバリー売上も、何か一つの施策によって急に伸びたわけではありません。
写真を見直す。
商品名を変える。
売れない商品を整理する。
人気商品を目立たせる。
価格を調整する。
新規のお客様向けの割引を行う。
広告の数字を確認する。
Uber Eats、出前館、Rocket Nowへ販路を分散する。
お客様の評価や注文内容を確認し、また改善する。
こうした小さな修正を繰り返してきました。
ある施策がうまくいっても、そのまま放置すれば、競合や季節、お客様の需要は変化します。
昨日まで売れていた商品が、来月も同じように売れるとは限りません。
だからこそ、デリバリー運営には「これで完成」という状態がありません。
数字を見て、原因を考え、改善する。
その結果を確認し、また次の改善を行う。
この繰り返しによって、少しずつ注文数と売上を積み上げてきました。
デリバリーは、出店するだけでは売れません。
写真だけでも、広告だけでも十分ではありません。
商品、価格、見せ方、販路、広告、評価、オペレーション。
それぞれを確認し、継続的に改善していくことが必要です。
この記事では、ガブ飲み食堂がデリバリー月商170万円に到達するまでに、実際にどのような改善を行ってきたのかを、できるだけ具体的にお伝えしていきます。
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この記事を書いた人 Wrote this article
新田 敏之 RBR合同会社 統括 / 男性
RBR(Restaurant Business Reform)代表。 鉄板焼きの現場で25年。 これまで数多くの飲食店の立て直しを中心とした経営改善に携わり、売上改善、商品開発、人材育成、オペレーション構築、デリバリー事業の立ち上げなど、現場に入りながら支援を行ってきました。 現在は「ガブ飲み食堂」を運営しながら、主力商品の開発・ソースや商品の卸事業、デリバリーFC事業の展開、そして飲食店の経営改善支援を行っています。 このブログで発信するのは、机上の理論ではありません。 すべて現場で試し、失敗し、改善を繰り返してきた実践知です。 料理だけでは、お店は続きません。 利益が残る仕組み、人が育つ環境、お客様に選ばれ続ける理由。 私は、その「経営」を一人でも多くの飲食人に届けたいと考えています。 飲食店を増やしたいわけではありません。 利益が残る飲食店を、一店舗でも増やしたい。 その想いを胸に、今日も現場で挑戦を続けています。